最近の読了本

うーん、日本に戻ってからそろそろ1ヶ月になろうというのか。あっという間だなぁ。ともかく、ここ2ヶ月間くらいの読了本は以下のとおり。

  1. Paul Auster, "Mr. Vertigo" (ISBN:0140231900)
  2. Robert Twigger, "Angry White Pyjamas" (ISBN:0688175376)
  3. Ben Carson, "The Big Picture" (ISBN:031023834X)
  4. Antonio Damasio, "Looking for Spinoza" (ISBN:0156028719)
  5. Greg Bear, "Vitals" (ISBN:0345423348)
  6. Lyall Watson, "Jacobson's Organ" (ISBN:0452282586)
  7. Rock Brynner & Trent Stephens, "Dark Remedy" (ISBN:0738205907)
  8. Jared Diamond, "The Third Chimpanzee" (ISBN:0060984031)
  9. 向井万起男『君について行こう―女房は宇宙をめざした』 (ISBN:406207785X)

1はポール・オースターの『ミスター・ヴァーティゴ』(ISBN:4105217070) の原著。読まず嫌いのオースターだけど、これは普段の彼の作品とは違うらしいというので読んでみた。すっとぼけたファンタジー感覚で、普通にお話として面白い。ただこういう古きよきアメリカを背景とした話って、ミルハウザーの『マーティン・ドレスラーの夢』を読んだときにも感じたけど、どうも日本人の私としてはピンとこない。
2は日本在住のガイジンさん(イギリス人のモラトリアム人間)が合気道の猛レッスン(警視庁の機動隊が受けるようなやつ)で黒帯を取るまでの1年を描いたエッセイ。そこそこ楽しめた。3はシャム双生児の分離手術で有名な小児神経外科医ベン・カーソンの半自伝というか自己啓発的な本。ひとからもらったので無理して読んだが、ちょっと道徳的な部分がくどい。
4はアントニオ・ダマジオのいまのところ最新刊。これまでの彼の著作を読んでいるひとにとってはまあ、似たような内容の本。5は最近『ダーウィンの使者』の続編("Darwin's Children")がでたグレッグ・ベアの去年の作品。これは駄作、読んでて途中でいやになった。
6はライアル・ワトソン『匂いの記憶―知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官』(ISBN:4334961045)の原著。副題のとおりヤコブソン器官についての本。フェロモンとかあの辺の話は結構おなじみになりつつあるかな。
7はトレント・ステフェン、ロック・ブリンナー『神と悪魔の薬サリドマイド』(ISBN:4822242625)の原著(翻訳本の表記通りに書いたけど、著者の1人 Stephens の発音はスティーブンスだと思うぞ)。サリドマイドの事件とその新薬としての「再発見」に至る経緯を描いた本だけど、これはとても面白かった。生まれつきの奇形で腕を持たず、足でギターを演奏するトニー・メレンデスのことは以前から知っていたけれど、まさか彼がサリドマイドの被害者だったとは初めて知りました。著者の1人も自己免疫疾患系の薬として最近また使われるようになったサリドマイドをこわごわ服用せざるをえなかった経験のあるひとで、本書に収められているその手記がたいへん印象的。
8は以前読んだジャレド・ダイアモンドの少し前の本で、『人間はどこまでチンパンジーか?』(ISBN:4788504618)の原著。やっぱり『銃・病原菌・鉄』のほうが的が絞れている感じで、あれほどには面白くなかったかな。9はJAXAの宇宙飛行士、向井千秋さんの旦那さんによる本。マキオちゃん、面白すぎ。なんだか続編もあるようなので読んでみたい。