How I, Robot gets the science-fiction grandmaster wrong (Slate)

私も "I, Robot" 観てきましたよ。この映画をこき下ろす Slate の記事に同意。(しかし「ファウンデーション」のアラビア語訳がアル・カイーダだったなんて初めて知ったよ。 )
まぁトレイラーを見て薄々はわかっていたのだけど、これはアシモフファンに対してケンカ売ってるとしか思えないぞ。『われはロボット』とはまったく関係のないお話で、借りているのはロボット工学三原則とロボット心理学者スーザン・カルヴィンの名前だけ。エンドロールに "Suggested by Isaac Asimov's book" となっていて、つい「なるほどな」と笑ってしまった。"Based on" でもなく "Inspired by" でもない、というわけだ。
そもそもアシモフがロボットシリーズを書き始めたのは、人間が創り出した生命によって創造主である人類が滅ぼされるっていう話に飽き飽きしたからだったはずだけど、映画のほうはまさにそのフランケンシュタイン・コンプレックスそのもの。主人公ははなっからロボットを信用してないし、群がる邪悪なロボットたちを撃って撃って撃ちまくるのだ(嘆息)。
また話のカギを握るロボットのほうも勝手に進化して感情を覚えて、せっかくの三原則があまり意味のないものになっている。アシモフのロボットシリーズの面白味は、三原則に基づいているはずのロボットの奇妙な行動をどう説明するかという制約を課したなかでの謎解きであって、だからこそロボ心理学者スーザン・カルヴィンのキャラが生きていたのだけど。