[統計]
1995年6月21日のドイツのロトで、49の数字から選ばれた6つの数字は15, 25, 27, 30, 42, 48だった。面白いのはこの6つの数字、実は1986年12月20日の同じロトの当選番号でもある。こんな事件はそれまで3016回おこなわれたそのロトでは起きなかったこと。49の数字から6つを選びだす組み合わせは 49C6 = 13,983,816 通りあるわけだけど、果たしてこんな偶然は本当にあり得るのだろうか?
その確率を計算するために、まず3016回のロトで同じ当選番号の組み合わせが現れない確率を考えよう。可能な組み合わせは13,983,816通りあるので、当選番号の組み合わせが3016回続けて違う確率は x = 13,983,816 として
これをRを使って計算すると0.72。したがって3016回のロトで、少なくとも1回は同じ当選番号の組み合わせが現れる確率は 1 - 0.72 = 0.28 となる。つまり4分の1以上の確率でこのような事象は起こりうる、というわけ。
計算に使ったRのコードは以下のとおり。組み合わせの数を求めるときの階乗 n! の計算にはガンマ関数 gamma(n+1) を使っている。
> n <- 3016 > x <- gamma(49+1)/(gamma(6+1)*gamma(49-6+1)) > p <- 1 > for (i in 0:(n-1)){ + p <- p*(x-i)/x + } > p [1] 0.7224133 > p.match <- 1-p > p.match [1] 0.2775867
また横軸にロトの回数をとって同じ当選番号が現れる確率をプロットしてみると、こんな感じ。
1万回もロトを続けていれば、同じ当選番号の組み合わせが現れる確率はほぼ1に近づくことがわかる。